副業・兼業は認める? 認めない?

query_builder 2021/09/27
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昨今、従業員の副業・兼業について話題となり、認める会社も増えてきました。

「副業・兼業について認めなければいけないのか?」というご質問も多く頂きます。

本来、従業員が労働時間以外の時間をどう使うかは自由であり、裁判例を踏まえると一律に副業・兼業を全面禁止するのは適切な対応とはいえません。しかしながら、無条件で解禁してしまうと問題が生じてしまいます。細かい規定を設けておく必要があります。

 

Ⅰ 副業の実態

Ⅱ 副業・兼業のメリット

Ⅲ 副業・兼業の留意事項

Ⅳ 制度設計にあたって

Ⅴ 労働時間通算について

Ⅵ 主な判例

についてご案内します。

 

Ⅰ 副業・兼業の実態は?

  何らかのかたちで副業・兼業を認める人事制度がある         49.5

  兼業・副業を認める人事制度ない企業で導入を予定している割合    39.1

  (リクルート 「兼業・副業に関する動向調査2020 データ集」より)

 検討する企業も増えてきています。

 

Ⅱ 副業・兼業のメリット

        企業

       従業員

従業員が社内で獲得できないスキル・経験を得ることができる(個人能力アップ)

新たなスキルや経験を得ることができる

(キャリアアップ)

従業員の自律性・自主性を醸成できる

自己実現を追求できる

優秀な人材の獲得・流出防止ができる

所得の増加

社外から新たな知識・情報・人脈をいれることができる

将来の転職・起業等に向けた準備ができる

企業にとっては、人手不足の中での優秀な人材の確保、従業員のスキルアップや人脈の広がりなどが期待できます。

 

Ⅲ 留意事項

・労働時間が長くなる⇒健康阻害や作業能率の低下

・労働時間が通算されるため、時間外手当が発生する可能性がある

・企業情報の漏洩の可能性が高くなる

等があります。

 

Ⅳ 制度設計にあたって

 1 ポイント

  希望する従業員からの届け出制として兼業・副業の内容をよく確認した上で許可を出す仕組みが望ましいと思われます。

  制度設計にあたっては以下のポイントを抑えておきましょう。

    就業規則の改訂(認可基準の整備)

    副業・兼業に関する合意書・誓約書の作成

 許可する業務内容・期間、競業禁止、秘密保持義務、労働時間管理等の明確化

    労働時間の把握。健康管理の仕組みの構築 

 

2 従業員に確認しておきたい事項

     副業・兼業先の事業内容

     副業・兼業先で従事する業務内容

    労働時間通算の対象となるか

副業・兼業が雇用契約の場合は労働時間の通算の対象となります 

労働時間通算の対象となる場合の確認事項

l  副業・兼業先での労働契約の締結日、期間

l  副業・兼業先での所定労働日、所定労働時間、始業・終業時刻

l  副業・兼業先での所定外労働時間の有無、見込み時間数、最大時間数

l  副業・兼業先での実労働時間の報告の手続き

l  これらの条件の確認を行う頻度

※ フリーランス等の労働時間は通算となりませんが就業時間が長くならないか確認  していくことが必要です。

 

Ⅴ 労働時間の通算について

 所定労働時間はそれぞれの企業の所定労働時間を通算します。

1 原則的な所定外労働の計算

 所定労働時間は最初に契約した企業から計算し、所定外労働は先に業務に従事する企業より計算していきます。

                           (厚生労働省 副業・兼業ガイドラインより)

 


2 管理モデルの場合の計算

 1の原則的な計算の場合、時間管理が煩雑になるため、 それぞれの企業で労働時間の上限数を設定して範囲で労働させるしくみです。。


6 代表的な裁判例

 最後に副業・兼業に関する代表的な裁判例をご紹介しておきます。


1 副業・兼業について認められた事案

マンナ運輸事件(京都地判平成24713日)

  運送会社が、準社員からのアルバイト許可を4度にわたって不許可にしたことについて、後の2回については不許可の理由はなく、不法行為による損害賠償請求が一部認められた事案

東京都私立大学教授事件(東京地判平成2012月5日)

  教授が無許可で語学学校の講師等の業務に従事し、講義を休講としたことを理由に行われた懲戒解雇について解雇無効とした事案。副業は夜間や休日に行われており、本業への支障は認められないとした。

 

2 副業・兼業をしたことによる解雇が有効とされた事案

 小川建設事件(東京地判昭和571119日)

  毎日6時間にわたるキャバレーでの無断就労を理由とする解雇について有効とした。

兼業は深夜に及ぶもので余暇利用のアルバイトの域を超えるものであり、社会通念上、会社への労務の誠実な提供に何らかの支障を来す蓋然性が高いとした。

 橋元運輸事件(名古屋地判昭和47428日)

  会社の管理職にある従業員が、直接経営に関与していないものの競業他社の取締役に就任したことは懲戒解雇事由に該当するとし、懲戒解雇を有効とした。


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