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熱中症対策義務化

熱中症

【社労士が解説】義務化開始!職場の熱中症対策のポイントとは?

2025年6月1日より、労働安全衛生規則が改訂・施行され「職場における熱中症予防対策」が義務化されました。屋外作業や高温環境下で働く労働者を抱える企業にとっては、きめ細やかな対応が求められています。今回は、法令改正の背景と実務で取り組むべき対策について、わかりやすく解説します。

義務化の背景と影響

近年、猛暑の影響で労災件数が増加しています。実際、2023年の熱中症による労災認定件数は1,106件と1,000件を超えました。

また、死亡災害は2年連続で30人以上に達しており、他の災害の死亡率の5~6倍となっています。そのほとんどは初期対応の遅れでした。


(厚生労働省 「職場における熱中症対策パンフレット」より)


義務化された具体的な対応項目

資料に記載されている「業種別の予防対策」や「WBGT値による対応水準」などを踏まえ、以下の8項目が実務上の柱となります。

WBGTが28℃以上気温31℃以上の環境で連続1時間以上または4時間を超えて実施が見込まれる作業の場合は、体制整備・手順作成・関係者への周知が義務付けられます。

対策項目

内容

WBGT値の把握・低減

暑さ指数(気温・湿度等)を定期的に測定し、作業可否を判断

作業環境の改善

換気、送風機、日よけ等による室温管理

直射日光や照り返しを遮ることができる施設を設ける

透湿性・通気性の良い服装の着用

作業計画の工夫

気温が高い時間帯を避けた作業、持ち回り制の導入

休憩時間の各府

涼しい場所での定期的な休憩時間の設定

水分・塩分補給の推奨

飲料・塩飴の常備、摂取時間の周知

健康状態の確認

作業前の健康チェック、熱への慣れ(暑熱順化)促進

緊急時対応

救急搬送のマニュアル整備、教育訓練の実施

教育訓練 

1回以上の熱中症対策研修を義務化

ポイント

作業に従事する従業員の熱中症に対する知識の習得が重要になります。

また、熱中症が発生してしまった場合の現場責任者の迅速な対応が重篤化させないキーとなります。現場責任者への教育・マニュアルの作成も重要です

熱中症は「予防できる労災」です。小さな行動の積み重ねが、命と会社を守ります。

 

(参考)WBGT値とは

①湿度、②日射・輻射など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた熱ストレスの評価を行う暑さ指数のことです。

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